Robinson's cherry 27




















 夜が開けて、明け方早くから宿を出たウォートは、異常に強く吹き荒ぶ風に髪を乱されながら八十九島目で途方にくれていた。
 まだ昼になったばかりだと言うのに、空は暗く、波は荒れて大変な様子だ。九十島目からの長い橋は渡るのに一時間を要する、ここいらで最も長いものだった。それを渡り終えたら宿を取ろうと思っていたのだが。運悪く、九十一島目には、宿どころか、家すらもなかった。雨風の向こうにに次の島には灯りが見えたが、そこまでに渡る橋に、荒れた波があたっている。
 低い手摺しかない橋だ。下手をすれば波にのまれて荒ぶる海原に投げ出されかねない。
「…どうするかな…」
 思わず呟いたウォートだったが、次いで吹いた突風に体が揺らぎ、慌てて踏ん張った。
 この強い風。低い手摺を渡っている時に吹かれたら、ひとたまりもなく海へと投げ出されるだろう。
 くそ、と舌打ちしたウォートは、仕方なく、島に唯一立った幹の太い樹木の浅い洞に身を寄せた。
 風は舞い込んでくるが、雨は重く垂れ下がった葉に遮られてちらちらとしか肌に触れない。
 一晩越えたら、きっと雨脚も風も弱くなっていると自分に言い聞かせながら、ウォーとは暴風雨の中、度重なる疲労に知らず衰弱していた体を休めるために目を閉じた。
 外では、更なる天気の悪化を思わせる冷たい風が吹いていた。









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